第7章 勘違い
あの時はそう思えた。
それなのに、なんだってこの人は。
「先生・・・・・・」
「ようやく分かったか」
「・・・・・・人のモノ・・・横からブン取ろうって言うんですか・・・」
「・・・・・・」
祝福しているんじゃなかったの。
きくつ睨み上げると、直後にじとっと先生の目が荒んだ。
そして次には頭に衝撃が走っている。
「ぁだッ!」
「てめえ・・・このクソガキ・・・・・・なんだってそういう解釈になった」
今度は物理的要因により涙目になった私。
引っぱたかれた額を押さえた。
「だって・・・」
「だってもクソもねえ。見合いはフェイクで俺はダミーだっつってんだろ。そんなしょうもねえ天然ボケ必要ねえんだよ」
ドスの効いた声でイライラと責め立てられ、私は訳も分からず見合い写真とアルバムの中の写真とを見比べた。
アルバムの方の彼女はまだ少女の雰囲気が抜けきらない。
先生の隣で嬉しそうに映る姿が多いけれど、大体どの写真にもその横にはオルオさんが陣取っていた。