第2章 突然のキス
「つまんねえ。普通すぎる。なんかあるだろ、もっと違う反応」
「先生ってロリコン趣味ですか?」
「動じろよ」
横から腕を伸ばされ、またもや頭に手を乗せられる。
ぐらぐらと揺すられながら私はただ前を見ていた。
「・・・趣味なのか・・・・・・。初めて会いました、そういう人」
「違え。俺は普通に女が好きだ」
生徒の前でそれを言うのもどうかと思うが。
横を向いて先生を見上げると目が合った。
騒ぐ程の事でもないけど、念の為、事実確認を試みる。
「今のは・・・・・・?」
「キスだな」
「・・・ですよね」
「冷静すぎるぞお前」
先生は相変わらず無表情。
喋っている内容を知りさえしなければ、穏やかで大人の雰囲気。
女が好きだと断言するする先生が、どうして私にこのような気行を投じるのか。
暑さのせいで頭がどうにかなったか、単純にふざけているだけか。
暑さのせいならばまだ救いようもあるが、後者の場合は少し危ない。
仮にも人にものを救える立場の人間が、遊び心の延長で子供相手にキス。
更に言うなら十歳以上年下の、同じ学校の生徒にだ。