第7章 勘違い
「・・・・・・テメエな・・・」
しかし先生にとっては女性の写真写り云々よりも私の反応が気に障ったらしい。
再びガラ悪く舌打ちをかまされたかと思えばギロッと睨み落とされた。
「言う事はそれだけか」
「・・・・・・他に何を言えってんです」
「おい・・・ああ、クソっ」
先生は身を屈め、私の肩に手をついた。
開いていた距離がぐっと縮まる。
顔を伏せるとそれを阻むかのように、私の顔へと伸ばされた先生の右手。
しかし口調とは裏腹にその手はスッと優しく頬を撫でた。
写真の女性から目を離せないでいると私との距離をさらに埋めてくる。
目元を拭われた事により、溜まった涙はとうとうポロッと零れて先生の指先に拾われた。
「顔上げろ」
「・・・・・・嫌です」
「見せらんねえツラでもしてんのか」
ぐいっと。
今度は顎を捉えて上を向かされる。
不意に晒す羽目になった顔に頬が熱くなった。
顔を顰めてその手に抗おうとするも両頬を拳で包み込まれ、しっかり見つめ合わせながら先生の声が私の耳に届いた。