第7章 勘違い
数分前まで泣きべそかいている仔ウサギみたいだったのに迷惑なくらい立ち直りが早い。
ノリノリでドスの効いた声を落としてくる淫行教師は通常運転に戻っていた。
大っ嫌いは酷い暴言だそうだが、それならいちいち下品で口汚いこの人の発言は何になるのだろう。
「メイリーよ」
「あの、一旦この体勢やめません?」
「やめねえよ。誰が逃がすかこの野郎。それよりも傷付いた俺の心を隅々まで癒せ。てめえの言動に最後まで責任もってキッチリ落とし前付けんのが道理ってもんだろ」
「先生、教師やめてヤクザに転職したらどうですか」
普段から言動が危ういこの人にだけは言われたくなかった。
淡々と興味もなく組入りを勧めると上から眼光鋭く睨み落としてくる。
私も負けじと冷たく視線を送り返すと、本職も怖気づきそうな顔つきをしたまま先生はフンと鼻で笑った。
「・・・・・・クソ生意気な目付きしやがって」
「人相悪い自覚はありますよ。あなた程じゃないけど」
「一言余計だ。だがその目は俺の気に入りでもある」