第7章 勘違い
とどめとばかりに最後に出てきたのは呆れでも諦めでもない溜息。
許す事を知って、情が沸いてしまった時点で、私の負けは決まっている。
「・・・・・・もういいです。あなたの勝ちです。良かったですね」
「何が良かったんだよ。こんなクソ惨めな姿晒すのが俺の本意だとでも思ってんのか」
「いつもと変わらないじゃないですか」
「・・・・・・不本意だ」
怖くてカッコイいリヴァイ先生は私の知っているこの人ではない。
駄目でズルくて変態で、生徒に手を出すような万年発情野郎こそ私の知る先生だ。
「どうしてくれる。お前のせいで俺の精神的ダメージが半端ねえ」
こんな大人気のない事を易々と言ってくるような人だけど。
「それ私のセリフですよ」
「ふざけんな、俺はお前にあんな酷い暴言を突きつけた事はない。躊躇いもなくだっ嫌いなんて言われたらビックリすんだろ。
嫌いでも大嫌いでもねえ、大っっっ嫌いだぞ。ちっちゃい『つ』の攻撃力がそれだけ凄まじいか分かってんのか。
それをお前、三つも付けやがって。死ぬかと思った」
「たまに先生って不思議ちゃんですよね」