第7章 勘違い
「・・・・・・メイリー・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
そしてとうとう本格的に気まずくなったらしい。
珍しくも根負けし、ようやく降参とばかりにこくりと一つ頷いた。
「・・・・・・分かった、すまん。今のは冗談が過ぎた」
「・・・お返しする言葉も見つかりません」
「悪かった」
はあっと深く、あえて厭味ったらしく溜息を零して、先生から顔を背け右を向いた。
そうすれば自ずと晒す事になる左側の頬。
控えめに触れてきた指先をペシッと叩き落とし、ふいっとさらに枕と仲良くしてみせる。
触るなと言動に突きつける私の態度はこの人にとって不本意なものだろう。
どんな顔をしているのかと目だけを向けてみれば、思った通り眉間をきつく寄せている。
いじけモードの大人の出来上がりだ。
そもそも諸悪の根源は自分のくせに、ヤクザみたいな顔をして子供染みた反応を寄越してくる。
それを目にして今度は呆れの溜息を零せば、拗ねた先生は急にボスッと私の肩口へと顔を埋めてきた。
肩に加わる重み。
左肩に埋まる頭に私の眉間も寄った。