第7章 勘違い
「ッ・・・、ざっけないでこのクソ教師!!私はヤるなんて一言も言って、」
ねえ!!という否定形は寸前のところで遮られた。
この人の凍てつくような鋭い眼差しと、顔面横すれすれのところにドスッ!と物凄い音を立てて食い込んだ拳によって。
「・・・・・・」
ベッド、へこんだ。
今メキッて言った。
「・・・・・・」
「ピーピー喚くなクソガキ」
嘘だろ。
ぎぎぎっと、目線を真横に向ける。
ただのおっさんの腕が私には斬鉄剣に見えました。
「昼間にも言ったはずだ。お前が足りてねえ」
恐怖で死ねそう。
真顔で見下ろしてくる先生の目と淡々とした口調は、きっと誰がどう見たって殺す気で来ているとしか思えない。
しかし吐き出された言葉はそれとは全く裏腹で、脅すんだが口説くんだかどっちかにしてほしいが残念ながらこの人はこういう人だ。
そしてここでうっかり黙ってしまいそうになる程度には私も大分感化されているらしい。
辛うじて目だけは逸らし、騙されるかと自分を奮い立たせて言い返した。