第7章 勘違い
「待って、ちょっと・・・・・・ちょっと!!」
「うるせえ」
「いくらだって煩くしますよ!なんでソッコー寝室なんですか!!」
リヴァイ先生のご自宅。
ほぼ強行連行に近い形で玄関から部屋の中へと押し込まれ、上り口に足を踏み出したと同時に私の体は宙に浮いていた。
え、っと声を上げる間もなく先生の肩に担がれ、ムードもクソもあったもんじゃねえ運び方で連れてこられたのはこの寝室。
「・・・っだ!」
バフッと落とされた。
むしろ放り投げられたと言った方がいい。
姫を連れ去る悪い魔法使いだとか悪いドラゴンだとか、おとぎ話の悪役だって攫った相手の扱いはもうちょっと丁寧だ。
もちろん私は、女だが姫になんてなりたくない。
仮に姫扱いなんてされでもしたらその人の事をぶん殴るのは間違いないけれど、しかしそれにしたってコレは酷いだろう。
ベッドの上に問答無用で投げ捨てられて、起き上がる暇もなく逃げる道は封鎖されている。
自らもベッドの上へと四つん這いに乗り上げてきたこの人によって組み敷かれ、制服のネクタイに手を掛けられたところでとうとう私もブチ切れた。