第6章 見合い?
「・・・・・・おい」
「助けてもらったクセにおいとはなんだクソガキ。躾がなってねえな」
さも自然な事であるかのようによっこいせと私の体を堂々と組み敷き、こっちが悪いみたいな言い方でそんな説教を垂れてくる。
助けたも何も、足払いなんかされなければそもそも私は倒れなかった。
だいたい普通に考えて危ない。
良い子は絶対真似しちゃダメな行動上位に入る。
いくらこの人に受け止めるだけの技量があったとしても、やられた私としてはかなりヒヤッとした。
「退いて下さい」
「断る」
「ドアの鍵開いてますけど」
「誰も来ねえよ。仮に来たとしてもそれがなんだ」
頬がヒクッと。
もうヤダこの人。
「もうすぐ予鈴鳴ります」
「体育の一時限くらいサボれ。成績にはそう響かねえ」
「あなた教師でしょ・・・・・・」
「教師である前に男だ」
断言された。
びっくりする。
これは相当駄目だ。
何を言ってもまともなキャッチボールはできない。
さり気なく先生の肩に手をつけば、あからさまに不愉快な顔をしてその手を退かされる。
手首を掴まれ、ついでにもう片方も地面へと縫い留められた。