第6章 見合い?
「俺はお前をそんな子に育てた覚えはねえ」
「あなたに育ててもらった覚えが私には欠片もありませんが」
淡々と言い返すと先生はしばし無言。
しかし気に入らないという意思表示を忘れることなく、ただただ幼い子供のように私を抱き締めて離さずにいた。
「・・・・・・俺のメイリーが反抗期とは・・・」
「サラッと言いましたけど私はいつから先生の者になったんです」
「ノリとその場の流れに任せれば屋上にゃんにゃんまで縺れ込めると思っていたんだが・・・。世界ってのは残酷なもんだな」
「・・・・・・」
聞きやしないし。
屋上にゃんにゃんってなんなの。
ていうかもしかすると最初から縺れ込む気満々だったのか。
だとしたら残酷なのはこの教師の残念な脳内だ。
けしからんどころの話しじゃない。
呆れついでに投げやりな感情が大分増してきた。
「・・・・・・あの、ほんっともういい加減にしてください。私戻るんで。先生もバカな事ばっかり言ってると本気で首トビますよ」
「分かってねえな。折角学校にいるのに屋上も体育倉庫も保健室も使わずに卒業する気か。校舎内でお前の制服を脱がせたい俺の願望を一回くらい叶えてみろ」
「あなたは私をなんだと思ってんだ」
最低すぎる。
思えばいきなりキスしたいと言ってきた所からここまでの流れがあった訳だが、最初から屋上にゃんにゃんなるものを目指していたと言うなら私はもうこの人に対して不信感しか抱けない。
人の気も知らないで。
こっちはここ数日、先生の見合いの真相が分からず悶々としっぱなしだと言うのに。
当の本人は生徒でエロい妄想しかしていないときた。