第6章 見合い?
「・・・・・・さっさと退けよ変態教師かっこハート」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
低温返し。
しばしの沈黙。
いくら恐怖感が勝ろうとここで言わねば私が廃る。
後ろの先生は微動だにしないが大層不機嫌なのはじわじわと伝わってきた。
「・・・・・・やり直、」
「しませんよ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
言わせてなるものかと言葉を被せた。
先生の機嫌、マイナス百二十ポイント。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
マックスで機嫌が悪くなっていくのが分かる。
体を離す気配は一向に無く、先生は私に抱きついたままそれはそれは低く呟いた。
「・・・・・・メイリー」
「なんですか」
「・・・・・・反抗期か」
その反応。
予想に反して若干悲しげ。
あれ?っと少々首を傾げた。
しょぼくれたような。
ちょっと控えめな。
なんとなく寂しそうな。
ついでにきゅうぅっと背中に張り付いてくるから戸惑いつつも憎むに憎めない。
怒るなり脅すなりしてくるかと思いきや、真剣な声で何を真面目に聞いてくるんだが。
窺い立てるかのような物言いは先生にしては珍しい。
たまには楯をついてみるものだなと思わぬ儲けものを得た気分だ。