第1章 混じりあう熱
「準備するので少し待ってやがれです。」
そう言いネズはテキパキと準備を始めた。
髪を乾かし私服に着替えメイクドレッサーに座った。
髪を結い上げている時に見えるうなじにドキッとする
無意識にユウリは髪を触ってうなじに口付けた。
「ユウリ?」
名を呼ばれはっと我にかえるとネズがくすくすと笑っていて急に恥ずかしさを覚えた。
「き、きれいだった…から……」
言葉と同時にどんどん赤くなる彼女に笑みが浮かぶ。
赤くなりぶつぶつと小声でなにか言っているのを面白くそのままにし
ネズはメイクボックスをあけた。
ジェルと下地で肌を整えパウダーで軽くはたく。
カラーとラインをひいて薄くグロスを小指で唇に塗った。
ライブの時より大分薄めのメイクだがユウリは魅入っていた。
「ユウリこちらへ」
不意にネズに呼ばれて近寄ると「少し目を閉じてください」と言われそのまま言われた通りに閉じた。
下唇に指がふれる…。
「もういいですよ」の声に目を開けると前にある鏡の自分自身の姿をみて「あっ」と声を漏らした。
「今はグロスだけ…。綺麗ですよ」
そう言いネズは微笑んだ。