第1章 混じりあう熱
「本当はこんな…大人気ねぇ姿見せたくなかったです」
涙を拭いながら少し悲しそうに彼女に視線を落とすとユウリはぎこちない笑みを浮かべ笑う。
「ネズさんでもそんなこと思うんですね」
はぁーっと長いため息を出して薄く笑う。
「当たり前でしょう。
……で?何故今更ここに?」
ユウリの笑みに内心ホッとして疑問に思っていたことを口に出す。
きょとんとし何かを考えて口を開いた。
「……キバナさんが今日は大丈夫だって。」
聞いた言葉に眉をひそめて思考を巡らせネズはユウリを軽く抱きしめた。
「あの阿呆…。後で覚えときやがれ…」
ものすごく怒りに震えた聞いたことのない唸り声に困惑するものの
抱かれている温かさと怒っている表情を見せない配慮にユウリ落ち着いていてくすくすと笑った。
「お前もお前ですよ…。」
今日で何回目かのネズのため息に笑いながらユウリは謝った。