第1章 混じりあう熱
ネズさん!と笑顔で振り向くと
髪の濡れたバスローブ姿の少し困り顔のネズが立っていて
「なぜここに?控え室にはくるなと言っていたはずですが…」
言葉終わらずにすたすたと無表情のまま
ユウリの前に歩いてくるネズになぜか気が引け一歩下がると
後ろにあった椅子によろめき座った。
困惑気味に顔をあげるとテーブルに両手をついて見下すようにユウリに視線をなげ
いつもと違うネズに動揺し逃げることも出来ない、
声も出せず見上げて視線をあわせた。
それでもすぐ上のネズの顔を美しいと思ってしまう。
そっと顎を触れられ視線をそちらに移動すると、不意に顔をあげられて口を開くネズが見えた。
キスをされる…。
そう思った時には唇に触れていて舌で撫でられた。
息をしようと少し開いた口から容赦なく舌が入っていき
何度もむしゃぶりつくように絡り奥に入ろうとする。
いきなりのことにびっくりし少しの怖さに涙を浮かべユウリは閉じていた目をあけネズをみた。