第81章 見えないもの
ああ、そうだ。
言うまでもなくこの2人がいると弊害がある。
部屋に人がいると、それほど私にとっては苦痛が増えるのだ。
「実弥うるッさい」
「え、何も喋ってない…」
「気配がうるさすぎ。アマモリくんの方が静かだよ。」
私がイライラして言うと、実弥は隣のアマモリくんを盗み見た。
アマモリくんはじっとおとなしい感じだけど、実弥はずっと緊張してる感じ。まあ、アマモリくんほど大人しい人が珍んだけど。
「…そ、それやったら俺出て行くし…」
「実弥も連れて行って」
「え」
「うるさすぎて無理…!!」
私が頭を抱えると、アマモリくんは大柄な実弥をズルズルと引きずった。
「は!?おいアマモリ!?」
「大人しゅうしとき。俺の母親が『お産の恨みは一生もん』って言うとったんや。お前殺されんで。」
「いや殺さないけど」
実弥はすぐに連行されていった。
…よし、離れていった。けっこうマシになったかな。
他の人と比べるのもなんだけど、実弥って気配がうるさいんだよなぁ。わかりやすいって言ったらそうだけど、なんか素直っていうか。
………ああ、だめだ。一回気になったらどんどん気になってきた。
「アマモリく〜〜ん!もっと離して〜!!」
「リョーカイっ!」
「だから…ッ!ってなんでお前そんなに力強いんだよ!?」
よし。これで落ち着いた。