第80章 大バカ野郎どもへ
キメツ学園の中に入るには警備員をどうにかせんといかん。
俺は車を降りて覚悟を決めた。
「ジジイの危篤やねんけど中の人に連絡つかへんねん!!鋼鐵塚って人呼んでくれんか!!」
大嘘こいて中にいる唯一の知り合いを呼び出した。
すると包丁を持ってエプロン姿のひょっとこが門の前までやってきた。
「アマモリ!鉄珍様が危篤って本当か!?」
「うん!嘘!」
「え!?どっち!?」
「蛍にい、ええから俺に合わせて!!」
鋼鐵塚蛍。
刀鍛冶だ。今生でも付き合いはあった。…来るって信じてたわ、アホやな。ジジイは向こう30年は死なへんわ。
その後、俺は叫んだ。
「えーーーーー!!ジジイの危篤なのに授業あるから来られへん!?そんな薄情なこと言わんとってよ!!」
「え……あ、すまん!六限がある!!」
「あーーーーーーーーーさいっあくやなぁ、ここの“校長”と“理事長”!まじ最悪やんか!!あーーーーー意味わからへーーーん!!」
「お、おう、そっ、そうかも…あ、ああ…。」
校門前でギャアギャア叫んでいると、中から誰か出てきた。
あれは…
ヨシ!校長のあまねさんや!!
「あ!あれが校長か!やーいやーい意地悪!悪徳業者!」
「おい流石に…」
「天野くん、何の用ですか?」
彼女は冷静に俺に近づいた。…名前覚えてるんかい。俺がこの学園にいたん何年前や思ってんねん。
「校長先生!」
「はい」
「後でなんでもするから、なんも聞かんと理事長に会わせてくれんか!!」
俺が勢いよく土下座すると、校長は二つ返事で了承してくれた。
「……ですから外で大きな声を出すのと土下座はしないでください。」
俺は立ち上がった。