第76章 思い出される過去のアレコレ
生まれ変わっても彼女を取り巻く環境は何一つ変わりませんでした。
私は今度こそ彼女と向き合おうとしましたが…。
やはり、あの仏頂面の兄と大人しい弟は私の前に現れたのです。
仏頂面の兄は全てをもう支配していたと思います。
弟の童男は前世の二の舞にならないように兄を連れて家を出ました。ちょうどさんが生まれたタイミングです。
そして、時を図ったように彼女の父親は亡くなった。
私の家にも当然訃報は届き______
全ての真実は繋がった。
童男が、葬式にいた。
私にさんのことを聞いてきたので一言だけ答えた。
那由多も葬式にはいた。
那由多は私の顔を見ると少し笑った。
童男はずっと青い顔をしていた。
那由多は泣くこともなく真顔だった。
______________その時くらいに、ああ、将来は警察官にでもなろうかな
って思ったんですよね。
今度こそ、って。
今度こそ、さんを守ろうって、なんかそう思っちゃったんです。