第74章 な ん て ね
青い顔の私に、実弥がちょっと…うん。ムッとしてるのがわかる。
「なんだよ。また隠し事か。」
「……頭痛い」
「あらあら〜。じゃあ私が話すわね。」
ソウコさんはペラペラと私が実弥に言っていなかったことを話し始めた。
「私、ちゃんのお母さんと春風くんのお母さんの妹なの。私たち、三姉妹なのよ。」
「…ハッ!?」
「だからねぇ。ちゃんは私の姪っ子なの。…一応、実弥くんは義理の甥っ子ね。」
実弥はめっちゃ驚いていた。
…まあそうなるよね〜。
「じゃ…じゃあ、霞守は…」
「え〜と、義理のいとこ?かしらね!同じ学校にいるなんて偶然ねえ!」
キメツ学園の生徒である霞守家の子供たち、阿国と陽明くん。そしてそこで先生として働く実弥…。
あ、うっかりしてた。隠すのは無理があったかー…。
「おい!どうなってんだ!!」
「…私も知ったのはつい最近で…」
「あぁ!?」
「…童磨くんの一件が終わった時、病院で聞きました……」
実弥は頭を抱えて項垂れていた。
「お前、氷雨の方にしか親戚いないんじゃなかったのかよ…」
「……いや、そこらへんのことは…」
もともと親戚のこととか何も知らなかったんだ。春風さんのことだって、おじいちゃんに聞いてやっと教えてもらったくらいだし。今もおじいちゃんたちには内緒で交流を続けている状態で…。
「それでね、さっきここにいたDRIZZLEの社長さんは那由多くんっていって、童男くんとちゃんのお兄さんなの。」
「…はあ!?あっ、そういえば、兄貴は2人いるって…!!!」
実弥はバッと私に顔を向けたが全力でそらした。
「……買収のことは何も知りませんでした。」
「嘘つけ、お前なんかやってただろ!」
「何もやってな…いとは言わないけど、極力関わってなかったよ。一旦買収は終わらせるって話だったから…。」
「は?何だよそれ」
「何かしようとしたけど何もしなくていいやってなったから何もしてませんでした!以上です!」
買収させてから後悔させるように仕向けて、権力を取り戻すって話を旅行の時にしていた。でも何もしてなかったのは確か…童男に電話かけたりしたけどそれは不問にしていただきたい!!