第71章 何したらいいの?
それから話し合いは続き…
話が長くなるのでみんな各自の布団に横になり、ああだこうだと話していた。正直私は限界だったが、みんな起きているので眠れず。
そのうちみんな寝落ちていき、気づけば朝だった。
変な夢を見なくて珍しく良い目覚めだった。
「…学生みたいなことをしてしまいましたね。」
「本当、何やってんだか、私たち」
「前世でもこう言うことあったよねぇ。なんかの作戦会議していて、ああでもないこうでもないって、みんな霧雨さんの布団に勝手に寝転んでゴロゴロして、気づけば朝みたいな。」
「どうでもいいけど狭いです。」
…なぜかみんな私の布団に大集合。寝るときは離れ離れだったのに、目が覚めたら私を中心としてぎゅっと寄せ合って寝ていたのだ。
「ねえ、せっかくの旅行なのに難しいこと考えちゃって楽しくないわ。もう一泊しましょう。」
「「「大賛成」」」
天晴先輩の鶴の一声でまさかの旅行延長が決定。
春風さんが旅館側にもう一泊すると伝えた。天晴先輩が仕事の調整に成功し、休みをもぎ取った。そして桜くんもご両親に許可をもらった。
一番の問題は私だった。
『だめだ。帰ってこい。』
「鬼ーーーーーー!!!!!」
『得意だろ、鬼狩り。話は終わりかァ?』
実弥が頑なに許してくれなかった。
「あと一泊だけだから!!これは本当の本当!!」
『あのなァ…俺は一泊だからって許したんだ。二泊を許した覚えはねェ。』
「だから許してって言ってんじゃん!!」
『だからダメだって言ってんだよ。』
ムキーーーーー!!予想はしていたがここまで強情とは…!!
『頼むからもっと普通に物事を考えてくれ。』
「考えてますけど!?」
『………』
電話越しに実弥のため息が聞こえた。
なんだか嫌味ったらしい行為にムッとするも、実弥は話を続けた。
『まず、お前は今妊娠してんだろ。お前がもし俺の立場だったらどうなんだ。俺は今お前の体調とか正直すげぇ心配してるし、結婚した相手が複数の男と外泊してるのもいい気がしねェ。』
「え?そ、それは」
『それでもう一泊するって言われても許したいとは思えない。』
ごもっともな主張になにも言い返せない。