第71章 何したらいいの?
「じゃあ何とかしないといけないやつじゃないですか!!」
と、まあこうなるわけだ。
「そうですそうですー!買収反対!!平和が一番!!」
「黙りなさいこの酔っ払い!!…って言っても、私も大いに賛成だわ。」
「大体こういう展開になっちゃうよね。」
私たちの絆を舐めてはいけない。問題ごとがある時の結託力たるや強固なものである。
「でも〜まず買収を止めないとどうにもならないよね?」
「でも内部にいる幹部たちでも止めようがないんでしょ?」
「そんなの簡単ですぅ〜」
「ちょ、春風、あんた本当にいい加減に…!!」
「私たちも買収で対抗すればいいんですう〜」
ベロンベロンの春風先輩の意見に桜くんの顔色が変わる。
取るに足らない意見だと思っていたが、どうも違うらしい。
「そうか!DRIZZLE以上の好条件で学園と神社を買収しちゃえばいいんだ!!全部ことが終わった後に勝ち取った権限を全て放棄する形にすればこの件は片付く!!!」
「でもDRIZZLEに対抗し得るだけの条件だなんて…。」
「金だろ!金!!DRIZZLEの買収は『金を与えるから権利も何もかもよこせ』ってことだよ。だから金さえ積めばどうにでもなる!!」
「…お金!!そうか!じゃあ私の貯金を捧げます!!」
「お馬鹿!相手は株式会社DRIZZLEよ!?あんた個人の蓄えでどうにかなるわけないじゃない!!
「え?あの会社そんなに有名なんですか?」
「「そこから!?」」
2人はまたしても息ぴったりに叫んだ。
…あれ?もしかして、あの会社ってめちゃくちゃすごいの…!?
「あのねえ、あんたの兄貴は超高級のアパレルブランドDRIZZLEの頂点よ!?年収は億も下らないわ。会社の資産なんてその更に上をいくの!」
「日本だけじゃなくて世界にも進出してる。世界中のファッションショーに引っ張りだこなんてこと、流行に疎い僕でも知ってる!」
「へえ…名前も聞いたことなかったです。でへへへへへへっ。」
笑って誤魔化すも、2人とも私に非難の目を向けていた。
…し、知らなかったんだからしょうがないじゃない。……世の中のことに目を向けるようにしないとな。