第69章 気づけば花嵐
次の日。
私は朝の6時に起きて、もぞもぞと動いた。ベッドの上で着替えようとあくびをもらしながら支度をしていると、実弥がそれに気づいて起きてしまった。
「…どこか行くのかァ」
「ゴミ出し行くぅ〜〜〜」
「俺が行くから、ゆっくりしてろ」
実弥が一瞬ぎゅっと抱きついて、背中をぽんぽんと叩く。
朝に弱い私は再びゴロンとベッドに寝転んだ。
「ほら暖かくしてろ」
「う〜〜〜」
実弥が毛布やら布団やら私にかぶせてきた。
彼が部屋から出て準備をしている間、私はゴロンと寝返りを打った。
その時、目に飛び込んできたものに私は目を見開いた。
「きゃああああああああーーーーーーー!!!!!!!」
朝から大声をあげてしまった。まずいと思って口を塞ぐ。慌てて飛び上がってそれを確かめる。
「どうした!?」
「さ、実弥…!!!」
私は思わず彼に駆け寄ってペタペタと顔を触った。
「ねえ!?どっか怪我してない!?おはぎに引っかかれたししてない!?」
「いや、してねえけど、お前どうし…」
「血!!血が!!!!!」
私が指を刺す方を見て実弥も軽く悲鳴を上げた。
枕の上には血がベッタリとついていたのだ。そう。実弥の枕に。
「え?は?俺?」
実弥は驚いていた。…え?じゃあ誰の血?
「…私?」
え?まじ?寝相は悪い方だと思っていたけど、こんなに暴れたんか?????
「いや、やっぱり実弥…」
くるっと振り返ったところで、実弥の鼻からたらりと何かが垂れた。
「「あ」」
慌ててティッシュを取って実弥に渡した。彼はすぐに鼻をおさえて下を向いた。
「……寝てる間に鼻血出たんだね…」
「みてぇだな…」
よしよしと頭を撫でた。
ゴミ出しは私が行ったし、いつも彼が全部やってくれる朝ごはんの支度や洗濯などを全部やった。
…いつも朝がダメだから任せっぱなしだったけど、朝に動くと気持ちがいいな。明日から私がやろーっと。
…朝からホラー映画みたいな展開を味わったおかげで目が覚めたぜ。