第67章 兄たちと妹
今まで実弥がやってくれていた分も頑張ろう!甘えるのはなし!!
と…気合を入れたはいいものの。
「うえーーーーーー……」
私はぐったりとしながら唸った。気分転換にいーくん鑑賞を始めたが、それさえ嫌になってテレビを消した。
おはぎはソファーの上でぐうぐう寝ている。いつもなら可愛いと写真を撮るのに、そのやる気も出てこない。
やばい。気持ち悪い。キモチワルイ。
……うっ、頑張ろうと思った矢先に頑張れないなんて。私なんてゴミ。まじでダメ。もうやだ。
「………」
ご飯食べる気も起きないし作る気も起きない。実弥のご飯はなんとか用意したけど、もう動きたくない。
でも動かないと生きていけないし、ちゃんとしなきゃ…。なんとか足に手を入れてヨタヨタと歩く。
洗濯物を畳み、細々とした掃除を済ませる。あとは…ええと、あとは……。
あ、そうだ。実弥の着替えを…。
そう思ったがもう限界で、私はソファーに座り込んだ。ぐっすり寝ているおはぎは私が座っても起きることはなかった。
………5分休もう。うう、最悪。
なんだか情けないというか、あまりにも実弥に申し訳ない。
そう思うと目が潤んで、ゴシゴシと目をこすった。それでも止まらないのでしばらくメソメソしていた。
すると、部屋のドアがガチャリと開く音がした。続いてペタペタと床を踏む足音。
振り返ると、実弥がそこにいた。
「…悪い、着替え……」
そこまで言って実弥が言葉を止めた。
「ふぐぅっ…」
「…何泣いてんだよ」
「うっ、うう…」
「泣くな、泣くな……」
実弥が私の元まで来て、優しく涙を拭いてくれた。
「お前、目強くこすっただろ。あとになるぞ。」
「ごっ、ごめん」
「あァ?」
「ごめんなさい…」
「…何謝ってんだよ」
実弥はぎゅっと私を抱きしめて背中を優しくぽんぽんと叩いた。
「また変なこと考えてたな?ゆっくりでいいから言ってみろ。」
「うっザデビがいどぅもがんばっでグデでぇええー」
「……うん…まあ、なんだ、落ち着いてから、な?」
その後も泣きじゃくっていたせいでうまくはなせなかった私はぐずぐずと泣き続けた。