第67章 兄たちと妹
そんなこんなで看病は順調に進み、実弥が眠ったタイミングで外に出かけた。
何か体にいいものを買ってこようと思い、私はるんるんでスーパーへ向かった。
買い物にはさほど時間はかからず、1時間以内に戻ってこられた。
荷物を片付けた後に実弥の部屋に行くと、ちょうど起きたところみたいだ。
「具合は?」
「…熱下がった」
「そっか。」
その言葉に私もほっとした。
顔色も良くなったみたいで一安心。
……このところ、私が甘えてばっかだからなぁ。私も頑張らないと。実弥にばかり頼ってたらだめだ。実弥は毎日働いてくれてるし…その上、家のことまで任せていたら体を壊してしまう。
………今日はゆっくりしてもらわないと。
「もう一回寝たらいいよ。おやすみね。」
私がいたら寝れないかと思い、部屋から出ようとしたが…実弥がぐっと手を引っ張った。
「何?」
「…もうちょっと」
「え?」
私が困り果てていると、実弥はポツポツとこぼした。
「……ここにいてほしい…」
そう言われて首を傾げる。
あれ、珍しいな。こんなことあんまりないのに。
「…寝るまででいい」
「あ、うん、わかった」
私はその場に腰を下ろす。実弥は安心したように目を閉じた。
「……なんかする?」
「しなくていい」
実弥が眠るまで、私はじっとそこにいた。握られたままの実弥の手からだんだん力が抜けていくのを感じて、私は部屋からでた。