第67章 兄たちと妹
「37度8分」
「…クッソ」
予想通り実弥は熱があった。
とにかくキメツ学園には電話をしてさっき休むと伝えたみたいだけど、熱も高くて心配。
「病院行く?タクシー呼ぼうか?」
「…いや、いい。風邪薬はあるから…」
実弥がゲホゲホと咳をする。
「…お前にうつすの嫌だから、とりあえず部屋から出ろ……」
「…わかった。薬とお粥だけここに置いとくね!」
「……待て、お前お粥つくったのか?」
「お米をお湯にひたしたらいいんでしょ?」
「……違うけど…まあいい、食う…」
あれ?違った?
まあいいや。やけにシャバシャバしてるけど食べられたらいいでしょ。
「あーんしてあげようか?キャッ」
「…………………………………………自分で食うから部屋から出ろ」
えっ何その長い間。もしかして悩んだ?あーんされるかどうか悩んだ???
とりあえず突っ込まずにお粥と薬、水を置いて部屋から出た。
実弥にあげたものと同じお粥も私を口にしたけど。うん、クソまずい。美味しくない。
なんか違う気がするけど…まあいいか。食べられたら。
モチャモチャと咀嚼しつつ、看病するには何をしてあげたらいいかと考える。
私が熱を出して春風さんのところにお世話になった時は…冷たいタオルくれたな。あと氷枕…。それからスポーツドリンクに、加湿器!
私はヨシ、と意気込んで早速準備に取り掛かった。
そして準備万端の私はマスクを着けて満を持して実弥のいる部屋に入った。
「実弥くん調子はどうですか」
「……」
「…おやおや?」
寝てるのかと思ったが、寝てはいない。けれど返事がないところを見るにだいぶやられてますね。
「…へえ〜また無視ですかぁ〜」
「だ…大丈夫…だァ」
「フハッ」
嫌味っぽく言うと実弥から返答が来たので吹き出した。…いやいや、病人相手に何やってるんだか…反省、反省。
「冷たいタオルと氷枕とスポーツドリンクだよ」
「…ありがと…」
はあ〜弱った実弥かわいっ!
よーし張り切っちゃうぞ。私はまず初めに実弥の額に水で冷やしたタオルを乗せた。