第65章 相性最悪
その時パッと電気がついた。
「「うわあああああああああああああああああああ!!!!!」」
私と実弥は心の底からの叫び声を上げた。
え、待って、なんか人の気配が増えてるなとは思ったけど、え?え??
「冨岡ああァ!?!?!?」
「冨岡くん!!!」
私と実弥の間ににゅっと顔を出した無表情の冨岡くん。
そして私はハッとしてカーテンを指さした。
「そこにいるのはカナエね!?」
「ば、バレちゃった〜」
「しっしのぶまでいる…ッ!!!」
「見つかりましたね〜」
はい??はい?????
ん、違う。まだ気配を感じる。
「ソファーの裏に宇髄先輩、悲鳴嶼先輩…二人ともそれ隠れられてないですよ!?あとは…蜜璃と伊黒くんね!キッチン!」
「バレたか」
「バレたな」
「バレたわ〜」
「バレた」
あ、鏑丸もいた。
「……そしてテーブルの下に煉獄くん。」
下を覗くと、あのギョロリとした目が見えた。
「うむ!見つかった痛い!!」
「勢いよく立ち上がるからだよおばか!!」
テーブルに頭を打ちつける煉獄くんをとりあえず救出する。
「これは一体どういうことだ…?」
実弥がポカンとしていた。すると、宇髄先輩がニヤリと笑う。
「お前の弟が派手に楽しそうなことを話してたからよぉ、俺様たちもド派手に祝ってやろうと思ってな。」
「玄弥が……?」
「さっさと外に出ろよ、顔面にパイ投げるから」
「帰れェ」
ええええええええええーーーーーー
待って何この流れ。てかせまっ。ただでさえ人多くて狭かったのにさらにせまっ。
「すみません大勢で押しかけて。」
「これお菓子とみんなで用意した子供達のお年玉です。あけましておめでとうございます。」
「まあ、丁寧に。」
やってることめちゃくちゃだけど普通に行儀いい!!!
ペコペコ頭を下げるみんなを見つつ、私はとりあえずそばにいた冨岡くんの肩をツンツンしておいた。
「なぜツンツンする」
「冨岡くんがそこにいたから」
「そうか」
やれやれ、こっからさらに騒がしくなりそうだな。