第65章 相性最悪
ぱちっと目を開けた。
…ん?
え、私、寝てた?
起き上がって窓の外を見るともう真っ暗だった。
(えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!?!?!?!?!?)
ギョッとして時計を見る。あ、夜の7時……。
ガチ寝してしまった。ていうか、なんで夜まで誰も起こしてくれないの!?
……あああああ、他人の気配がざわざわして落ち着かない。私、こんな中で寝てたのか…ありえない!!
気づくとおはぎは部屋にはいなくて、扉が半開きに鳴っていた。
まだ頭がぼんやりするが、ふらふらと歩いて階段を降りた。
しかし、寝起きの頭で階段を降りたのがダメだったらしい。つるっと足を踏み外してそのまま転びそうになった。
が、後ろから体を引っ張られてなんとか耐えた。
「…ありがとございましゅ」
「寝ぼけんなァ」
「ぐう」
「寝んなァ」
実弥がどうやら助けてくれたらしい。うーん、どうして私の後ろにいるんだろう。
「部屋にいた俺をスルーしやがって。危ねえなァ。階段でこけるとからしくねぇ。」
「…ええ〜、君、部屋にいたの?」
「……おい、お前本当に大丈夫か?」
一旦階段から降りたところで私は疑問を口にした。
「ていうかなんで実弥はあの部屋にいたの?」
「買い物から帰ったときに俺もリビングから追い出されたんだよ」
「?なんでだろうね。」
みんな何がしたいんだろうか。あれ?て言うか…。
「……買い物から帰った時って、もう何時間も前だよね…」
「………」
「実弥はその長い間、何してたのかな〜…どうして起こしてくれなかったのかな〜……」
実弥がすっと私から顔を逸らした。
「俺も寝た」
「………」
「最後の1時間くらいは………寝顔見てたァ」
「ギルティ」
実弥はブスぅっとしていた。まあね…いつも実弥が寝た後にしか寝ないから、私が寝顔を見られることなんてないもんね。
「次同じことしたら………わかってる?」
「わかってマス」
実弥が目を合わせないまま言った。はい、聞く耳ないですね。
て言うか1時間他人の顔見てるって何?疲れてない?大丈夫?
その状況下でグウスカ寝てた私も相当疲れてんな。