第63章 馬鹿の失敗談
手芸屋さんで熱を入れて制作していたらずいぶんと時間がかかってしまった。根気強く付き合ってくれた優しい店員さん、本当にありがとう。
…でも手作りっていいな。ハンドメイドのアクセサリーとかが流行るのもよくわかる……。
私もちょっとやってみようかな。
それから実弥の話をよく聞いていると、今は冬休みに入る前でテスト期間だから帰るのが早いんだと。
教えてもらってたのに忘れてた。てへ。
誕生日プレゼントを買うために歩き回ったのでその日は疲れて実弥より早くベッドに入った。
とはいえ実弥が起きていると気配がうるさくて眠れないので、ぼうっとして寝転ぶだけだが。
誕生日プレゼントは用意できたけど、クリスマスプレゼントがまだだな…ネットでポチろう。
今日お店でいいの見つけたんだ。同じものがネットで売ってたし、それを送ろう。
明日届くように設定すればクリスマスには間に合うよね。
なんてことをしていたら寝る支度を済ませた実弥が寝室の扉を開けた。
「お前、寝る前にスマホいじンのやめろォ」
「あーんひどい。学校の先生みたいなこと言わないで。」
「残念だったな。俺は学校の先生だ。」
まあ操作は終わってたからいいけど。実弥は私の隣に横になり、キッと目を釣り上げた。
「アホかお前は。なんで毛布一枚で寝てんだ。かけ布団をつかえ、羽毛の良いやつを買ったんだからよォ。」
「キーーッ!!それだけは言うこと聞かない!!暑いっ、暑いからやだーーー!!!」
「やだじゃねえ!!いつも薄着して寒い寒いって震えやがって!!」
「今冬だよ!?寒いんだよ!?寒いって言って何が悪いの!!じゃあ言ってやろうか、実弥がくっついてくるから余計に暑いんだよ!!離れろ!!」
「却下アァ」
しばらくベッドの上でわちゃわちゃしていたが、二人とも疲れ果ててさっさと眠った。