第59章 雪嵐
海外?
カイガイ?
かいがい?
「えーーーーー…?????」
「世界のアーティストが集まるプロジェクトがあるんだって。担当者がお前に連絡送ったはずなのに返事がないから困ってるって…僕のマネージャーが言ってたよ。」
「待って情報量が多い!何?あんたマネージャーいたの????」
「え、そこ?」
急な話の展開に言葉が出ない。
思わず変なツッコミを入れてしまった。
「逆になんであんなに仕事しといてお前にはマネージャーがいないんだよ。」
「ええ…私、フリーランスですから…。」
「それよりも、担当者からお前に連絡いってないかって話をしたかったんだけど。」
そう言われて私はスマホを確認した。いつ頃の連絡かを優鈴に聞き、それくらいの時期のメールを漁ると……。
「そんなメール来てないよ。」
「まじ?アドレス変えた?」
「変えてないけど。ほら、いたずらメールといつもの仕事の連絡しかないよ。」
「…いたずらメール?」
優鈴が気になったようなので見せると、そこにあったメールを見て優鈴は目を見開いた。
「!!これだよ!!担当者からのメール!!!」
「え?これ詐欺メールじゃ…。なんか、英語だし…。」
「よく読めよ!お前英語わかるんだろ!?」
「い、いや、このメールを開いた途端に1000万円請求されちゃうんだよ!?」
「ワンクリック詐欺じゃねーんだよ!あー!それでもう未読のままか!!」
優鈴に怒られてメールを開いてみると、確かに英語で書かれていた。
……本当だ。優鈴の言う通りのことが書いてある。
「へぇ。世界中の人を集めて個展を開くんだ?」
「そう。僕らは若手枠で誘われたってこと。」
「へえ…」
なんだか楽しそうだな、とは思ったが少々難しい仕事のようだった。