第59章 雪嵐
いつも通りというか、まあ、日常が戻ってきたわけだ。
きっと磨t同じことを繰り返すんだろうなって思うけど、それでも元に戻れると信じよう。
それが、一緒にいるってことだよね。
薬が効いて頭痛も消えたのか、お昼ご飯を食べ終えた後の実弥は具合が良さそうだった。
その頃にはおはぎも文句を言わなくなり、実弥にすり寄っていた。
「お前、スマホ鳴ってねぇ?」
「あー本当だぁ」
テーブルの上に置かれたスマホを素早く取る。誰がかけてきたのかバレると面倒なことになりそうだったから…。
「木谷さんか」
はいバレた即バレです。風柱の洞察視力なめてました。
「そうだねぇ。…デテモイイ??」
「…」
実弥はなぜか優鈴のことになると機嫌が悪くなる。しかし、ダメとも言わなかったので電話に出ることにした。
自分の部屋に行き、スマホを耳にあてた。
『もしもし、今平気だった?』
「平気よ。久しぶり。」
『うん久しぶり。あのさ。』
優鈴の要件は至って単純だった。
『話したいことあるから、僕の道場まで来てくれない。』
私は二つ返事で了承した。電話はすぐに終わった。
そしてそのことを実弥に報告すると………。
「ダメだ」
「え!?」
まさかの返事にギョッとした。
何がダメかさっぱりわからなかった。
「木谷さんの道場って、あの人が自分の家につくったやつだろ。なんでお前があの人の家に行かなきゃいけねえんだ。」
「ええ…でも、もう何回も行ってるし大丈夫だよ。」
「……ほお?その話、俺は知らねぇなァ」
実弥の怒りゲージが上がっていくのを感じる。え、なんで??
「でも行きたいよ…童磨くんの件以来会ってないし…。」
「……………」
実弥はブスッとしていた。
「俺も行く。あの人が俺に来んなって言うならお前も行くのをやめろ。」
「??わ、わかりました?」
納得できなかったがひとまず優鈴にそう連絡した。優鈴はゲラゲラ笑いながら、それでも構わないと言った。