第58章 爆発する音
1時間ほど横になり、具合が良くなったので起き上がった。
よっし、実弥の様子を見に行こう〜!と張り切って外に出たが、おはぎは嫌だと言って部屋に残った。
まあ、部屋から出たのは具合がよくなったっていうのもあるけど、気配で実弥の目が覚めたことがわかったから。
「起きたの」
ソファーに歩み寄り、声をかけるともぞもぞと動いた。クッションをぎゅうぎゅう抱きしめて、顔を埋める姿がなんとも可愛らしい。
ふ つ か よ い
……で、なければ。
「起きてねええェ…」
いや声ちっさ
「頭痛い?」
「…ぃたくない…」
「……そう。」
想像以上にやばいな。とりあえず、ドラックストアで買ってきた二日酔いに効く薬を…ああ、あとお水をたくさん飲ませたほうが良いな。
「はい、これ飲んで。」
「……苦いか…?」
「苦いけど、これが一番効くの。」
酒に飲まれに飲まれた私がいろんな薬を試し、たどり着いた究極の薬である。これでダメなら病院行ったほうがいいレベル。
「ていうか苦いのとか気にするんだね。」
「……苦いなら飲まねェ…」
「子供か」
どうにかこうにか宥めながら実弥に薬を飲ませた。本当に嫌だったみたいで、飲んだ後はしばらくいやそうな顔をしていた。
いや、想像してたけどやっぱり目が覚めてからの方が大変だったか…実弥って酔っ払うと幼児退行するみたいだな。
いつもはお兄ちゃんって感じでしっかりしてるのに。普段の我慢が全部ここにきて崩壊した感じがある。
「はい、お水も飲んで。」
「飲みたくない」
「はい!のーんでのんでのんで、の、ん、で!!!」
駄々をこね出す前に無理やり口元にコップを持っていって飲ませた。私の言うこと全部に嫌だって言ってくるんですけど、これが噂のイヤイヤ期?????