第49章 ジハード
私が思い描いている通りに動いてくれるだろうか。動いてくれると良いなあ。
……。
そこまで介入できるのが一番よかったのだけれど、それは流石に虫が良すぎる。
ずっと一人で勝手に動いて、散々振り回して、色々かきまわしておいてそれはないだろう。
「言っとくけどお前が巻いた種も要らん客の対応も何もかも全部こっちがやってんだからな。学園への不法侵入に誘拐事件にその他もろもろ全てのことをな。」
「わかってます…」
「ふざけんな俺らの時間に給料払え」
「おいくらですか」
「クソが」
宇髄先輩は投げやりにそう言って背もたれに思い切りもたれかかった。
「よくもまあやってくれたもんだ。派手にな。」
「…すみません」
「しかも敵まで増やしやがって」
…ここまで言われては弁明もできない。
これは仕方ないよね。はい。それじゃ、ここまでと言うことで……。
「」
「は、はい」
「言いなさい。大丈夫だから。天元はを追い詰めるようなことを言わないように。」
宇髄先輩はまだ何か言おうとしたが、理事長が人差し指を口元に添えたことで黙った。
「がいつも一人で動いていたことには全て理由がある。その理由を私は知っている。」
理事長は人呼吸置いた。
「みんなのためだよ。君のためでもあるんだ、天元。天元のこともはずっと守っていたんだ。
ちゃんと、はみんなを守りぬいた。本当に強い子だ。それを…私はみんなにもわかって欲しいのだけどね。」
どこか悲しそうにそう言うので、ひどく胸が締め付けられた。
「とはいえ、天元の気持ちもわかるよ。あまりわがままを言って“お姉さん”を困らせることをやめようね。」
「へ?」
「っ理事長!!なぜそれを…!!!!!?????」
宇髄先輩が真っ赤な顔で怒る中、理事長はクスクスと笑っていた。私は異様な光景にただただ首を傾げた。
「お姉さん?」
「ふふっ。天元はね…「なんでもナイッス!!さあ話を続けましょう!!ね!霧雨“サン”ッッ!!!!!」」
…はい?
いったいなんのことなんだろうか。って、こんなことを言ってる場合じゃない。ワガママが通るなら、今ここで話せることは話してしまいたい。