第46章 お薬どうぞ
…でもそのことが事実というなら。
どうやら話し合わないといけないことがあるらしい。
「帰る!!」
私はすぐさまそう叫んでいた。
「家に帰る!神社にいても進展はないよね!?童磨くんが刑務所にいる間は彼に対してどうしても何もできない。私は童磨くんが塀の中にいる間に証拠炙り出してやろうと思ってたけど…!!
こうなったら陽明くんの教えてくれたことと照らし合わせて証拠を全部叩きつけてやる!!」
「おお!それいいね。手始めに何から詰めます??」
「まずは事故の証拠から。被害者の人たちの容態も良くなってきたはず。」
「それについては警察がすでに調べ終わったあとだ。私たちでこれ以上見つかるものは…。」
「あるよ。」
私はビシッと自分を指さした。
「……あ〜…。そういう…。」
「……正気か?」
「マジです。」
巌勝と陽明くんは顔をしかめていた。
「なるほど、それなら協力します。」
「ああ。雇われの身だからな。」
「…あ、あなた金が発生していたから積極的だったのね。」
三人で盛り上がっていると、置いてけぼりだった実弥が話に割って入ってきた。
「おい、待て。どういうことだ?」
「「「言えない」」」
「は!?三人揃って!?」
実弥がギョッとしていた。思わず笑ってしまいそうになったが、状況が状況なので耐えた。…陽明くんは吹き出していたけれど。読めていると思うけど、空気読んでくれ。
「なんで言えないんだよ!?」
「言ったら先生怒るでしょ。」
「実弥邪魔するでしょ。」
「ふざけんな!!そんな作戦なら認めねえ!!!」
実弥は叫び散らしたが、私たち三人の結束は固かった。
「実弥には助けてもらうから。」
「…?」
「助けて欲しいの。」
そう言うと、彼はキョトンとしていた。
「…先生、さんに助けてって言われて思考止まってるよ。」
「ふむ。間抜けな顔だ。」
「聞こえてるぞお前ら」
真夜中の神社の鎮守の森の中。
私たちは不敵に笑い、怒り、できる限り頭を働かせて、敵をどうしてやろうかと団結した。