第46章 お薬どうぞ
「さ、気を取り直して俺についてきてくださいよ!」
陽明くんはやけに明るい声で言った。
「気を取り直したい…ところだけど、私何も知らないままここまで連れてこられたの。いい加減説明してもらってもいいかな…?」
「あはは、確かに。神社の中は警備も強くて安心だし、話しても問題ないでしょうね。」
「警備って…関係者の居住地まで警備員は立ってねえだろ。」
「やだなあせんせー。凄腕の警備員より、優秀な紫外線センサーより、とびっきりの警備要員がここにいるでしょっ!」
陽明くんはビシッと自分を指さした。
…確かに、陽明くんは未来が見えて過去も見える。気配察知もできて他人の心も読める…その他もろもろ。
これ以上にないほど頼もしい。
「だがしかし物理的な力は全くないので、そういう時は巌勝さんの出番です。」
「報酬ももらっている」
「あら素晴らしいギブアンドテイク!!」
待ってていうかどこにこの二人にそんな強い繋がりが…。
「巌勝さんはよくお世話になっていますよ。最近、無惨がこの神社に支援までしてくれるから、その仲介役としてよくここに来てくれて…その時に今日の計画を教えてくれたんです。
さんの周りでトラブル起きまくりだから、きっとなんかあるんだろうって心配されてましたー。」
「え」
…何そのスパダリ。ていうか、陽明くんさらっと心の中読んだ……。
「で、神社には俺が呼んだんです。なんかさん、今先生と面倒なことになってるんでしょ?不死川先生との家に帰るより、俺の家の方が過ごしやすいかなって。空いてる部屋なんて腐るほどあるし。」
「……面倒って。」
「え?違うの?まあ、そう言い張るなら二人で神社に避難する?俺は全然良いけど。後ろめたいなら、落ち葉はきでもして働きます?」
……ちょっと。
ちょっと色々とまってほしい。