第5章 好いて好かれて
ということで、四人が病室に集まった。
「近く寄ったから顔見にきただけなんだけど、なぜこうなる。」
優鈴は不満そうだ。
「ていうか悲鳴嶼くんとは令和に会うの初めてだね。僕のことわかる?」
「覚えていますよ。」
「それは良かった。」
しかし彼がいると沈黙が消えてくれる。
「すまんかったね。最後変な死に方して。」
「いえ…。」
あ。ダメだ。
これすごく空気重い。
「うん。まあ今もこいつとは仲良しでやってるし、鬼もいないし皆幸せそうだし、多分あんなことしない。」
多分…というのが優鈴らしい冗談だ。
「というのはまあ良いとして。これどういう状況なの?何でシンダガワくんは怒ってんの?」
「何度も言いますがシナズガワです。」
優鈴が突然言い出した。
…?私には怒ってるとか何も感じられないけどなぁ。怒ってるのかな?
「んまあ…状況は察してあげるけど。大変だねぇ。」
「え?いや、これはただのお見舞いで…。」
「なーんだ。今カレ元カレでばとってんのかと思った。」
優鈴が言うと、先輩の緊迫度が上がって実弥は顔をそらした。
「………あれ…?……そういう…こと……だったの…?」
私が聞くも二人とも沈黙。
代わりに優鈴が発言した。
「あんたらがヤキモキすんのわかんなくないけどタイミングくらい考えたら?こいつまた心臓止まるよ。」
優鈴はまた悪い冗談を言う。
「あ、あの、私は全然…。」
それ以上は言えなかった。
優鈴が怒っていた。珍しい。
凄まじい威圧感にどうにもできなくて、うつむいた。