第4章 夢想
先生がいなくなってから、空の器を下げてもらった私は気になっていたことを聞いた。
「ハルナちゃんと優鈴、何で一緒にいるの?珍しい組み合わせだね?」
すると、ハルナちゃんがちょっとうつむいた。
「あ、いや、霧雨さん、また目が覚めないから、何で目が覚めてるうちに会いに行かなかったんだろって、それで。」
そして弱々しく言った。
「……良かった。本当に。」
顔をあげたと思えば頬をうっすらと染めて涙をためて微笑んでいた。
「本当にナイスタイミングだったよね。急にハカナ少年から電話かかってきたときは何事かと思ったけど。」
「兄は予定があって来られなかったので…その、一緒に来てもらえて心強かったです。」
「でもどうせならお兄ちゃんとが良かったでしょ。」
「あ、いえいえ、そんな。あ、兄が急に連絡してしまってすみませんでした。」
「まあ…心配だったんでしょ。ハカナくんは。」
ハルナちゃんが頬を更に赤く染めた。
?????
んん?????
甘酸っぱい気配がする。
ハルナちゃんもしかしたらもしかするのでは…?????
「ハカナくんは心配性だから。ね。。」
「うん。…ソウダネ。」
うわあああ絶対そうだああ。
待って待ってちょっと待った。ハルナちゃん春真っ盛りですけどどうしたらいいんですかこれ。
いやいやいや気づけ優鈴お前そんな可愛い女の子放っておくなこら。
ハルナちゃんはもう皆の妹みたいな?うんそんなところあるよね。前世で桜くんがどんだけ妹思いだったか知ってるもんね。
生まれ変わって、ハルナちゃんのことを知ったときは皆で喜んだよね。もう自分の妹みたいに可愛がった。
そんなハルナちゃんが!!
ハルナちゃんが!!!
これが喜ばずにいられるかもう感情爆発しそうおさえこんでるのマジ褒めて。
「そうだ。私霧雨さんのお家に連絡するね。目が覚めて元気だって。」
「あ、ごめんねハルナちゃん。」
「いいの!」
私の家の裏に住んでいる桜家と霧雨家は仲良しだ。
彼女は早歩きで病室から出ていった。