• テキストサイズ

キメツ学園ー輪廻編【鬼滅の刃】

第3章 夢の中


「お前、飯食ってんの?」


実弥がキョトンとして言う。

私はうつむいた。


「………霧雨さん」


看護士さんがたしなめるように名前を呼ぶ。
まだ握ることしかできない手でシーツを握った。

変な汗が出た。顔が上がらない。上げられない。


口が開くだけで声が出ない。パクパクと情けなく動くだけ。


「ヒュッ」


その時、変な声が出た。
声じゃない。呼吸音だ。


「霧雨さん!?」


看護士さんが慌て出す。私は喉をおさえた。

息が吸えない。


目の前の

けしきが


ひっくり返る





あ、もう、これダメだ


































入院して何度目かの失神だった。
もう回数なんて把握していない。

目を覚ますと、主治医の先生と実弥がいた。


「………食事は、すこしはやかったようですね。」


先生はにこりと笑った。


「…す…み……、せ」


言葉がすんなりと出なかった。


「謝らなくていいんですよ。」


先生は実弥と一言二言話して、点滴だけ確認して病室から出ていった。

二人きりになったとき、実弥はベッドのそばに腰かけたままじっと私を見下ろした。


「……お前、いつから飯食うようになった?」


実弥が聞く。
数えてなかった。でも、数えられないほどたくさん挑戦したんだ。


「いつも吐いてたのかよ。」


私はゆっくり頷いた。


「でも……、わ、わた…し、が、…んばって、たん……だ…よ、ほんとだよ……」


すると実弥から怒っている気配がした。


「………バカ野郎、何でお前はいつもいつも…ッ!!!」

「ごめん「謝んなクソが」」


実弥は私の顔に自分の顔を寄せた。
/ 1161ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp