第23章 時を超えた告白
「わかってます、私、フラれるって!でもそれをわかった上で言いたいことがあるんです!」
あまりの鬼気迫る迫力に優鈴が一歩後退した。
…がんばれ、優鈴。
「私…すごく気持ち悪いかもしれないけど、フラれても木谷さんのこと大好きなんです!!!」
「………へ?」
「だから、その」
目を点にする優鈴をよそにハルナちゃんは続けた。
「私、諦めません!」
「え」
「木谷さん、今彼女いないんですよね?」
「うん、まあ。今っていうか、生まれてから一度も。」
「じゃあ諦めません!私、これから頑張ってアタックします!!だから…これからも木谷さんのことを大好きでい続けます!!!」
ハルナちゃんが言い終わると、優鈴は魂が宇宙まで飛んでしまったような、虚しい顔をしていた。
……情報量が多くて処理落ちしている。
「…良い…ですか?」
ハルナちゃんが控えめにそう聞いたところで、優鈴の魂が戻ってきた。
「……かまわないけど」
「本当ですか!?」
「…」
「嬉しいです!ありがとうございます!!じゃあ今度、どこか一緒に行きたいです!!二人で!!!」
ハルナちゃんの押せ押せどんどんなオーラに優鈴は目を泳がせていた。
「………遊園地、以外でね…」
優鈴は遠い目でそう言った。ハルナちゃんは目を輝かせてはい!と元気よく返事をした。
「霧雨さん!」
「は、はい」
「…私にとって霧雨さんは恋敵だけど…これからもお友達ですよね!?私たち!?」
「それはもちろん…」
「やった!」
急に呼ばれてビックリしたが、どうも優鈴のことで関係がぎくしゃくするのが嫌だったらしい。
……なんか、恋に全力って感じ。そこがこの子の可愛いところなんだよなぁ。
優鈴も意外に恋に情熱的だったことがわかったし、もしかしたら気が合うんじゃないかな?