第23章 時を超えた告白
何百年と抱いていた気持ちを、優鈴が話してくれた。
なら私も答えないといけない。
「私は、あなたが親友として大好きだよ。」
「……」
「でも男の子としてじゃない。」
「…うん」
「だから、気持ちには答えられない。」
優鈴はふう、と息を吐き出した。
そして、ホッとしたように肩を落とした。
「いいよ。もう、十分。」
「…そう。」
「……ごめんね。…僕はこの後に及んでも君から逃げようとしていた。ただ、君に恋焦がれることに居心地の良さを感じていたんだ。…君に恋をしない自分が想像できなくて、さ。」
そこまで話したところで、誰かの足音が聞こえて私たちはそっちに視線を向けた。
私は気配でわかっていた。
「木谷さん!!」
ハルナちゃんだ。
彼女は可愛らしくパタパタと小走りで私たちの元へと向かって来ていた。優鈴を探し回ったからか、泣き腫らしたからか顔が真っ赤だった。
「あ、あのっ、私っ伝えたいことがあってぇ…あ、違うや!ええと!まず、さっきのすごく格好良かったっ、です!!」
「……ああ、どうも。…大丈夫?」
肩でゼエハア息をしているハルナちゃんを優鈴が心配する素振りを見せる。それだけでハルナちゃんは顔を真っ赤にする。
「その、この前は、逃げちゃってすみませんでした!!あと、メールとか無視してごめんなさい!!」
「…それは気にしてない。君が元気なら、それで…ていうか、謝るのは僕だし…。あ、その、僕も君に言いたいことが……。」
ハルナちゃんを前に優鈴はタジタジだった。
…私への気持ちにケリをつけたから、告白の返事を改めてするみたいだけど…またハルナちゃん泣いちゃうんじゃないかな。
「はい…大体わかってます。木谷さんは、さんが好きなんですよね。」
「ああ、うん。…でも、今フラれたところだから、改めて君とちゃんと向き合おうと思って、それで言おうとしてたことが…。」
「待ってください!」
ハルナちゃんは大きな声で優鈴の声を遮った。