第23章 時を超えた告白

「……具体的な話は、また今度で良いかな。廊下ではなしてると目立つから。」


優鈴がハルナちゃんに言う。


「そ、そうですね。本番のあとなのに押し掛けてすみません…！」

「いーよ。このお姉さんが一番に突撃しに来たし。」

「何？私のせい？」

「そうだってば。」


優鈴がクスクス笑う。

あぁ、何があっても優鈴は優鈴だ。


「…お前が良いなら、僕はこれまで通りの付き合いをお願いするよ。」

「うん。私もそれが良い。」

「よかった。」


優鈴はいつものふにゃっとした笑顔を見せた。


「わっ私も！私もこれまでと同じような付き合いをお願いしますっ！！」


ハルナちゃんが一歩詰め寄って言うと、優鈴は困ったように頬をかいた。


「…いや、僕のことを好きって言ってくれる女の子に同じような態度を取れって言われても難しいんだけど……。」

「…え」

「今までより優しくなっちゃうかもな…。」


優鈴がさらりと言う。

……。


「あれ、何で赤くなってるの？」

「…え！？優鈴って恋愛下手くそ！？」

「は？今失恋したやつにそれ言う？お前は気遣い下手すぎだろ。」


おいおいおいおいおいおいおい。

今お前が言ったセリフはどう考えてもハルナちゃんには逆効果だろ。ほらもう目がハートだよ！！！


「わ…っ！私、もう帰ります！色々と限界です…！！」

「うん、僕も眠いからそろそろ控え室戻る…校長と学園長に挨拶しなきゃ。」

「わかった！」


と、いうことで三人はここで解散となった。
優鈴はハルナちゃんが見えなくなった頃に一言私にささやいた。


「色々あるけど、何があっても一人で抱え込むなよ。」


私はうなずいて、手を振ってその場から去った。