第23章 時を超えた告白
その日、学園にはたくさんの人が来ていた。
…入場制限かかっててこれか。普段のイメージからは全く想像がつかないが、優鈴は書道家としてかなり上の地位にいる有名人だ。たまにメディアにも登場する。
チケットは完売。中庭に仮設されたステージを校舎から見下ろすような形なので、決まった席なんかはない。
ひょろひょろしている私は人に流されながら3階にたどり着いた。
「通路を塞がず、窓際でご覧ください!!」
そしたら人をさばいているのがまさかの宇髄先輩。
おお、あの人本当に教師だったのか!!!
「先輩!!せんぱーい!!」
「ん?おお〜!霧雨!」
先輩はくるりと振り返って私に手を振った。
「そうかそうか!木谷さんが出るんだったらお前は来るよなあ!」
「うふふ、お仕事お疲れ様です!」
「いや〜こっちは仕事で大変よ。すげえ人だし。」
廊下は人であふれかえっていた。…警備員みたいな仕事もするなんて先生という仕事は大変だ。
「じゃ、これ終わったら木谷さんの勇士を一緒に見ようぜ。」
「はい!」
先輩はそのまま列整備に戻っていった。
その直後だった。誰かがふらついて私の方におでこを打ちつけた。
「いたっ!」
「え!?だ、大丈夫ですか!?すみませんすみません!!」
「い、いえ、私が転んだだけで…。」
その人が顔を上げた時、私はハッとした。向こうも気づいたらしい。
「さん…」
そこにいたのは、可愛い服を着て、とびきりのおしゃれをしているハルナちゃんだった。