第23章 時を超えた告白
学園祭三日目。
その日の朝、実弥は早めに家を出て行った。
「悪いな、最近何も出来なくて」
「いいよ〜お仕事がんばってね!」
実弥はぎゅっと私に抱きついた。
…珍しい。
「、体は何ともないか?…変な夢とか見てないか?」
「?すごく元気だし見てないよ。どうして?」
昨日見た夢を思い出し、ドキッとしながらも聞き返す。あの夢は変な夢でもない。
あれは過去の亡霊だ。私が大正時代に残してきた後悔の塊。
だから大丈夫。何ともない。
「…ちょっと気になった。」
「そっか…。私、心配かけてばかりだね…。」
「いや、いいんだ。お前がいてくれたらそれでいい。」
実弥がそう言った。
「ええ〜どうする?私が突然消えちゃったりしたら!」
「気味の悪いこと言うなァ。」
「ははは、そんなことにはならないから、心配しなくていいんだよ。」
彼からそっと体を離す。
「じゃあ行ってらっしゃい。帰ってきたらゆっくりしようね。」
「ああ。行ってきます。」
実弥がドアを閉める。
さあ、学園祭最終日だ。
「おはぎ、今日も気合い入れて行ってくるよ!」
「にゃあ」
私はおはぎに見送られ、外へと足を踏み出した。