第20章 驚きの連続
30分経つと冨岡くんが戻ってきたので、彼の肩にもたれかかった。ひどく疲れた……。冨岡くんは微動だにせず支えてくれた。
しばらく休憩して、むくりと起き上がる。
「よし、行ってくる」
「は?」
「…行きましょう」
彼が戻ってくる前に奥さんと子供に事情を話して縁壱さんは動けるようになった。まあ『昔の知り合いに会った』と適当な嘘をついていたけれど。
「待て、どこにだ。お前そんなにフラフラしているのにどこに行こうとしてるんだ。」
「霞守神社。」
…確かに今日はいつもより動いているから、もうそろそろ体力の限界かも。体が回復しつつあるとはいえ、あまり無理はできないな。
「…なぜ神社に?」
「世界平和を祈りに」
「…私も」
縁壱さんは私の無茶な言い訳に乗ってくれた。
「待て、そもそもどうして今日は一人なんだ。不死川はお前の外出を知っているのか?」
「あったりまえじゃん…!」
嘘である。
寝てるのをいいことに適当に『遊んでくる』と書いた置き手紙を残して勝手に出てきた。怖いのでスマホもずっと見ていない。
おはぎを買って帰って、死ぬほど謝って許してもらおう…。
「……それなら口は出さないが。」
「うんうん。」
「…」
冨岡くんはじっと縁壱さんを見つめた。
「………深くは聞かない。だが、霧雨のしていることはおかしいと思う。」
「…そう。」
「…気づかないふりをする。不死川にも何も言わないと約束する。だが。」
冨岡くんは続けた。
「ずっとその調子では、お前はいつか後悔することになるぞ。」
「え?」
意味深にそう言い残して彼は去っていった。
……言葉足らずとかのレベルじゃないんですけど。
意味がわからない。いったい、何なんだ…?