第20章 驚きの連続
やることが山積みだ。優鈴は予想外だったけど、きっとまた元気になってくれると信じよう。
ていうか沈むなら失恋したハルナちゃんじゃないの?何でフった本人がこの世の終わりみたいになってるんだろ…。
優鈴は好きな人がいるって言ってたけど…。
その人のこと、諦めたみたいだったけどやっぱり諦めてないんだろういな。…ハルナちゃんも心配だな。落ち込んでるだろうし…。
と、悶々と終わらない考え事をしていると目的地に到着した。
ちょっと前に実弥にピクニックに来た公園だ。
そう。継国縁壱。
『もしあなたが阿国を知っているのなら、阿国のことを聞かせてほしい。休日は子供をここで遊ばせているので、会えると思います。』
こう言われてしまっては無視するわけにもいかない。ただ、阿国ちゃんのことを全部知っているわけでもないし…ご期待に応えられるかわからないが。
見知らぬ人とはいえ、私の力を持ってすれば見つけるなんて容易いわけで。
(いた……けど、奥さんと子供たちが一緒か)
木陰でこそこそと様子を伺う。あの一家団欒に突撃する勇気ないな…。今日は無理かな。
「何してる?」
「うおあッ!!!!!」
後ろから声をかけられて叫び声を上げて振り返った。
「と、……とみおか、くん」
「久しぶりだな、霧雨」
大きな声を出したせいか、継国縁壱ががっつりこちらを見ていた。
「お馬鹿~!!んもう!こっちおいで!!!」
「む、なぜだ」
腕をつかんで彼の視界になるところまで引きずり、しゃがみこんで茂みに身を隠す。
「なんで君がここにいるんだよおおおおおお!!!」
「散歩だ」
「ああそうですかお疲れ様です!!!」
頭を抱えて必死に考えた。
あ~!コイツの登場なんて予想もしてなかった。しかも周囲の警戒怠ってたし…バカじゃん、私。
「……」
「大丈夫か」
「…処理落ちしそう……」
ひゅうっと強い風が吹いた。
真夏なのにその風だけ強く感じた。
「……ッうし」
私はパン!と自分で自分の頬を叩いた。
「気合いいれる」
「?そうか」
「弱音吐かない」
「?うん」
「死んでもやりきる」
「??」
下を向きそうな自分に渇をいれた。冨岡くんは首をかしげていた。