第20章 驚きの連続
「そりゃ泣くよ」
当たり前だ。だって、優鈴のことがあの子は大好きだったんだから。
「でも、それでハルナちゃんの人生が終わったわけでもないの。」
『…うん。』
「ハルナちゃん、なんて言ってたの?」
『………好きですって』
「そう。」
『僕は違うって言った』
「…そっか。」
優鈴の声は沈んでいた。
『ねえ』
「何?」
「………」
「…どうしたの?」
『……なんでもない。ごめんね、大変な時に。無惨のことだよね。でもごめん。僕は協力できそうにもない。』
「…大丈夫よ、優鈴。」
『………散々だよ、どうしてこんなに心が乱れるんだろう。ずっと平気だったんだよ。それなのに。』
声が悲しくて聞いていられない。悲しい。
『心が痛い』
「……。」
優鈴は最後にそう言った。
街中で私も泣きそうになった。
……優鈴は頼れない。なら、最終日に優鈴が学園祭に来る前になんとかしないといけない。
(……あいつがあんなに恋に熱いとは思わなかったな…)
またしても親友の意外な一面を見た。
なんだか、前世でお別れする前の優鈴に雰囲気が似てて嫌だなあ。
どうか変なことを考えたりしませんように。
まるで他人事のように祈りながら、私は次の場所へと向かった。