第19章 鬼殺隊の次は
実弥がじっと私の顔を見上げてくるので何かと思って首をかしげた。
「…おい」
「ん?」
「そろそろやばいから退いてくれ」
「はっごめん重いよね!」
「いや……体制が」
実弥は気まずそうに視線を逸らした。
体制??
仰向けの実弥に馬乗りみたいになっちゃってるけど……。
「…?」
「……煽ってんのか、お前は」
「へ」
何を言っているのかだんだん理解することができて、顔を真っ赤にしながら慌てて退いた。
実弥はすぐに起き上がった。
「……なんですぐにそういう考えになるのよ」
「…いや、別に」
頬を膨らませてギロリと睨みつける。
「………悪い」
最終的に控えめにそう言われると、何も言うことができなかった。
……まあ…ずっと私が具合悪くて何もできなかったからだろうな…。
「あ、えと、私そろそろ体調も良くなってきたし…」
「…いや、そういうんじゃない」
……うわ〜嘘だ〜。すぐにわかる〜清々しいほど嘘だ〜。
「………」
「………」
二人揃って顔が赤くなった。
「…とにかく、ご飯食べようか」
「…おう」
何とも言えない気まずい夕食になってしまった。