第19章 鬼殺隊の次は
「…問題は、刀がない今どう戦うか。」
優鈴が頭を抱えてついには黙り込んだ。
「相手は政治家。目的は復讐か。霞守がどうこうはさておき、まあ十中八九もともと鬼殺隊だった人はやられるダロウネ。」
桜くんが久しぶりに声を大きくして発した。
だが、すぐにまたズーンと深く沈み込んだ。
「………刀がなくても実力行使はできるよ。」
私はぽろりとこぼした。
「…一応聞こうか。方法は?」
「グーパン」
他の三人はシン、と黙り込んでしまった。
「でも、暴力はよくないと思うの。だからグーパンは最終手段。正当防衛なら…まあいいんじゃないかな。」
「お前、何が言いたいの。」
「だから、勝てるんじゃないのってこと。」
私が言うと優鈴は呆れたようだった。
「私たちはイーブンでしょ。無惨はもう鬼じゃない。同じ人間よ。それに、それぞれの時代を生きていた元鬼殺隊の剣士がこの令和時代に集まっている。」
「……。」
「無惨が復讐をしたいと言うなら迎え撃てばいい。これだけの人材が集まっているんだから、たとえグーパンでも十分だと思わない?」
みんなポカンとしていた。
しばらく沈黙が続き、変なことを言ってしまったのかと焦る。
え、ごめん謝るから許してほんとごめん。
「鬼が相手になると強いな。」
「「同意」」
実弥が小声で呟いた時に他の二人が呟き、三人が同時にため息をついた。
「ん?何?ごめん変なこと言った??」
「いや…ただ普段からそんな感じだったらと。」
「実弥くん??なぜ頭を抱える???」
「あー何百年かぶりに頼もしい霧雨さん見たかも。」
「はは」
優鈴は馬鹿にしたような笑いを浮かべた。
「こいつはずーっと頼もいしいよ。」
「え、ありがとう!」
「…ほら頼もしいでしょ」
またはは、と笑った。疲れたような笑顔を浮かべる優鈴に、とにかく私も笑顔を返しておいた。