第19章 鬼殺隊の次は
つ な が っ た ーーーーーーーーーーーーーっ!!!
桜くんと私はぎょっとして開いた口が塞がらない。犯人である優鈴はやっべと言わんばかりの青い顔をしていた。
『カンペは?なんか言うこと決まってんでしょ??』
優鈴が即座にスマホで文字を打ち込んで見せてくるも私は首を横に振った。
『何で決めてないんだよ!!!』
うわあああああああああーーーーー!!!!!
首をめちゃくちゃに振って溢れんばかりの感情を表現する。あー言われればそうだそうでしたカンペとか用意するべきでした!!!
『もしもし?』
電話の向こうから声が聞こえた。
私はその声を聞いてゾッとした。
………?
この声、どこかで。
私が戸惑っていると桜くんがスマホを私に見せてきた。
『今とっさに文章作ったから話すときはこれ読み上げて!』
そう言われたのでこくこくうなずく。
ありがてえええなんて頼もしいのかしら!!!
「も、もしもし」
『どちら様ですか』
すみませんすみません急に電話なんかかけて
「霧雨…と、申します」
『……霧雨さん?お声と電話番号が違うようですが。』
何の意味もなく喉元をおさえる。まあ私とあの人は声が全然違うからな…。
「えと…娘の方でして、霧雨といいまして…」
『………』
「あのー、お見合いのことで言いたいことが…」
桜くんが作った文章を半泣きで読み上げようとしたとき、電話の向こうからその場の雰囲気には似つかない反応が返ってきた。
『ふっ、…ふふっ、ふふふ』
………笑ってる?
ピタリと動きを止めた私に桜くんが眉を潜めた。
そしてパクパクと口を動かす。
確信はないけど…多分、
す、ぴ、い、か、あ
…かな?
スマホを操作してスピーカーモードにする。
するとオーケーマークを指で作ってくれたのでひとまずホッとする。