第16章 疲弊
少し具合が良くなった。しかし、気持ち悪さは変わらない。お腹は痛いし頭も痛いまま。
ずっと同じ体制でいるのも辛いので起き上がる。体力も回復したようなのでフラフラと家の中を歩いた。
…もう夕方か。実弥が仕事行ってるなら、ご飯作らないとな。洗濯物を片付けないと。
実弥はいつ帰ってくるのかな。朝はギャン泣きしてばかりだったから、実弥は教えてくれたのかもしれないけど記憶にない。
台所に到着。とりあえず何か作ろうと思ったが冷蔵庫の前でしゃがみ込んだ。
「……」
今日はもうダメだ、と思ってしまった。それくらい体の調子が悪くて辛かった。
でもわかってるよ。そんなこと言ってる場合じゃないことくらいわかってる。今日の喧嘩は私が全部悪いんだから。
早く実弥にごめんねって言いたい。許してくれるかわからないけど、今になって後悔してる。
仕事は仕方ない。それに、実弥はわざと私との予定を蔑ろにする人じゃないってわかってる。
私は馬鹿だ。全部うまくいかない。
何で痣なんて今更出てくるの。どうして無一郎くんは私に会いたいと苦しむの。どうして私の体は思い通りに動いてくれないの。阿国。霞守。霧雨。鬼殺隊。継国縁壱。仕事。
何から手をつけたらいいんだ。もうわずかかもしれないこの命で、いったい何を頑張ればいい。
「……ずっと、眠っていたら良かった…」
そう口にした途端、ポロポロと涙が溢れた。
泣いている場合ではない。わかってる。わかってるけど。