第96章 現代版柱稽古2
「「「「「手作りのおはぎ!?!?!?!?」」」」」
一時間後、ようやく回復したみんなが元気よく叫んだ。
みんなが口にした劇物の正体を打ち明けると、それは驚いたようで目を丸くしてギャンギャンと騒ぎ立てた。
「嘘だろ霧雨!おはぎっつーかあれはもうゴ「黙れェ!!!」」
宇髄先輩が何か言う前に実弥が思い切り手刀をくらわせた。
ゴってなんだ。なんて言おうとしたんだ。もしかしてゴミか?ゴミなのか?
「せん、先輩が作ったおはぎ!?わ、私、そのっ、えっと、美味しくいただいてたんだけど、ッ、美味しくいただきたかったんだけどっ…!!」
「甘露寺、もう何も言うな。」
ありがとう蜜璃。気持ちは伝わったよ。ありがとう伊黒くん。気を使わせてごめんね。
「いいよみんな…私のごはんがまずいのは事実だから。」
「そういえば…って調理実習の時、家庭科室を半壊させて反省文書かされてたわよね。」
「霧雨は下手なんてもんじゃない。俺はバレンタインデーの試食を任されたが毎年地獄を見ていた。」
「霧雨が修学旅行のバーベキューで食材に全く触らせてもらえてなかったのはそういう意味だったのか。」
カナエ、冨岡くん、伊黒くんに次々とカミングアウトされてそこそこのオーバーキル。冨岡くん、毎年何も言わずに付き合ってくれてたけど実は恨みたまってたりする?ごめんね?
若干心を痛めいていると、後ろからパキパキと骨を鳴らす音がした。
振り返るとそれは怖い顔をしている実弥が。
「テメェら人のもん食っといて謝罪の一つもねぇのかァ…」
「いや、人のもん食っといてって言うけどなぁ不死川。あんなの食ったらお前腹壊すぞ。」
宇髄先輩がないない、と手を横に振る。
「何言ってるんですか宇髄さん…!ていうか皆さん、さっきから師範に失礼ですよ!」
「無一郎くん…」
「師範のご飯で体を壊すなんて覚悟が足りてないです!噛まないで飲み込んだりおなかに力入れて食べたりすれば大丈夫なんです!!」
これが一番心に来たかもしれない。
え、無一郎くんもしかしてずっと我慢してた?前世ではいつも無表情ながらパクパク食べてたから喜んで食べてるとばかり…!!
自分が作った劇物で落ち込むのも変だが、恥ずかしくて力無くその場にへたり込んだ。