第96章 現代版柱稽古2
実弥がおはぎ食べたいって言うから昨日から仕込んで今日の朝に頑張って作ったのにまさかこんな事件に発展てしまうとは。
…もう二度と作らない。
「お前らに謝れ!!苦手なのにいつも頑張って台所立ってんだ!!メシ作ってくれてんだよォ!!」
「ッ…師範のご飯を毎日……僕の時でさえ3日に一回くらいであとは外で買ったお弁当だったのに…!!」
「しっ、不死川はあれをいつも食べている…だと!?」
「……人間として格が違いますね…不死川さん。」
「お前ら全員そこに並べ!刻んでやる!!」
「実弥、やめて。いいからやめて。」
私は真っ赤な顔で彼の服の裾を掴んだ。
「も、もう、もう帰る…!!!」
「見てみろが半泣きじゃねぇか!!テメェら次の稽古は覚えとけよ!!!」
「わっ、わかったから帰ろうって!!」
その優しさが今は重くて辛い。
半泣きになって実弥を引っ張って家に帰る。あまね様に面倒を見てもらった赤ちゃんはスウスウ寝ていたが、家に帰るなりパッチリ目を覚ましてギャン泣きした。
「うああああん、ああああん、うええええん」
「そうかそうか、君も悲しいか。安心しなさい。我が家は実弥というシェフがいるからちゃんと美味しいご飯が食べられるよ。まだミルクですけどね。私が粉をお湯で溶かしてるけどね。」
哺乳瓶を咥えさせると赤ちゃんは夢中でちゅうちゅうと吸っていた。
その横でかしゃかしゃうるさい男が一人。
「、こっち見ろ」
「絶対やだ。」
実弥はなぜかやたらと写真を撮りたがる。
彼がたくさん撮るので私も釣られてたまに撮るけど、毎回連写しているのはおかしいと思う。
意外と実弥はマメで、アルバムとか作ってる。知らなかったけど私たちが付き合っていた頃とかのも残してる。
確かに、不死川家はアルバムとか写真立てとかたくさん置いてあってすごいな〜とか思ってたけど。
…私の家はそういうのなかったからな。よくわかんないし実弥の好きにしてもらっていいやとか考えてたけどここ最近すごい嫌になってきた。
いついかなる時もカメラを向けられているとなんかイラアッとしてくる。心狭いのわかってるけどすげぇイラっとする。